鉄筋棒取り表の使い方

定尺長の選び方・ロス率の考え方・各機能の操作方法をわかりやすく解説

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目次

  1. 鉄筋棒取り表とは
  2. 基本の操作フロー
  3. 定尺長の選び方とロス率
  4. 集計表の見方
  5. 車両積載シミュレーション
  6. ExcelやCSVからの取込
  7. データ共有・保存
  8. 印刷・PDF出力
  9. 鉄筋の単位重量一覧
  10. 現場で役立つ棒取りのコツ
  11. よくある質問(FAQ)

鉄筋棒取り表とは

鉄筋棒取り表(定尺集計表)は、設計で必要な鉄筋を、市場で流通する定尺材からどう切り出すかを計画する表です。

鉄筋メーカーが販売する定尺材は 3.5m〜12.0m(0.5m刻み)。設計上の鉄筋長さはバラバラなので、どの定尺から何本取れるか、どれくらいロス(端材)が出るかを事前に計算します。

このツールでできること:
  • 設計長さと本数を入力 → 最適な定尺長を自動推奨
  • 注文本数・注文重量・ロス率を自動計算
  • 径別集計表・発注数量マトリクスを自動生成
  • 車両積載シミュレーションで搬入計画まで対応
  • CSV出力・印刷・URL共有に対応

基本の操作フロー

鉄筋データ入力
自動計算
集計表確認
CSV出力 / 印刷

Step 1 : 鉄筋データを入力する

テーブルの各行に鉄筋1種類分のデータを入力します。

項目入力方法
記号自由入力S1, W1, C1 など
使用箇所自由入力スラブ配力筋、基礎梁主筋 など
ドロップダウン選択D10〜D32
長さ(mm)数値入力2700(ミリ単位)
本数数値入力48
ポイント: 径を選ぶと単位重量(kg/m)が自動でセットされます。JIS G 3112に準拠した値です。

Step 2 : 自動計算を確認する

長さ・本数を入力すると、以下が自動で計算されます。

項目計算内容
1本重量設計長さ(m) × 単位重量
設計重量1本重量 × 本数
定尺長ロス率が最小になる定尺を自動選択(★推奨)
取合定尺1本から切り出せる本数
注文本数必要な定尺材の本数(=設計本数÷取合、切り上げ)
注文重量注文本数 × 定尺長 × 単位重量
ロス率(注文重量 − 設計重量)÷ 設計重量 × 100

Step 3 : 行の操作

表示の切替: テーブル上部のトグルボタンで「重量」列や「摘要」列の表示/非表示を切り替えられます。列を非表示にすると使用箇所の欄が広がり、入力しやすくなります。

定尺長の選び方とロス率

定尺長とは

鉄筋メーカーが販売する標準的な長さです。3.5m〜12.0mまで0.5m刻みで18種類あります。

設計長さに対してどの定尺を選ぶかで、端材(ロス)の量が大きく変わります

ドロップダウンの見方

定尺長のドロップダウンには、各定尺ごとの取合本数とロス率が表示されます。

例)設計長 2,700mm の場合

★ 5.5m(2本取/ロス1.8%) ← 最もロスが少ない
  6.0m(2本取/ロス11.1%)
  8.0m(2本取/ロス48.1%)
★ 8.0m(3本取/ロス-1.2%) ← 長尺側の最適
★推奨とは: ツールがすべての定尺長(3.5m〜12.0m)に対してロス率を計算し、最もロスが少ない定尺長に★マークを付けています。迷ったら★を選べばOKです。

ロス率の目安

ロス率表示色判断
10%以下適正。そのまま発注してOK
10〜15%やや多い。他の鉄筋との抱き合わせ棒取りを検討
15%超要見直し。別の定尺長や組み合わせを再検討

計算式

取合本数 = floor(定尺長(mm) ÷ 設計長さ(mm))
注文本数 = ceil(設計本数 ÷ 取合本数)
注文重量 = 注文本数 × 定尺長(m) × 単位重量(kg/m)
ロス率(%) = (注文重量 − 設計重量) ÷ 設計重量 × 100
注意: ロス率が低い=常に最適とは限りません。定尺が長すぎると搬入が大変になったり、現場での取り回しが悪くなります。搬入車両の荷台長さや現場の保管スペースも考慮して判断しましょう。

集計表の見方

径別集計表

テーブル下部に自動で表示される集計表です。径ごとに設計重量・注文重量・ロス率がまとまっています。

設計重量(kg)注文重量(kg)ロス率(%)
D131,234.51,345.69.0%
D162,345.62,567.89.5%
合計3,580.13,913.49.3%

合計行を見れば、全体のロス率が一目でわかります。

発注数量表(マトリクス)

横軸が径、縦軸が定尺長のマトリクス表です。鉄筋屋への発注書をそのまま作れる形になっています。

数値は注文本数を表しています(例:D10 × 5.5m = 24本)。

活用法: この発注数量表をそのままCSV出力またはPDF印刷して、鉄筋加工業者への発注明細として使えます。

車両積載シミュレーション

入力した鉄筋データから、搬入に必要な車両と回数を自動で計算します。

使い方

  1. 集計表の下にある「車両積載シミュレーション」セクションを確認
  2. 車両を選択(2tトラック〜ポールトレーラーまで17車種)
  3. 「おすすめ車両」には、荷台長さと積載量から最適な車両が自動で表示される
  4. 積載結果(何回で搬入できるか・各トリップの積載内容)を確認

車両選択の考え方

条件チェック内容
荷台長さ最大の定尺長が荷台に載るか(例:12m定尺 → 荷台12m以上)
最大積載量1回あたりの重量制限に収まるか
搬入回数少ない方がコスト・工程的に有利
おすすめ車両: 荷台長さが最大定尺以上の車両の中から、搬入回数が最も少ない → 車両が最も小さいの順で自動推奨されます。
注意: シミュレーションは重量ベースの概算です。実際は鉄筋の束ね方・クレーン揚重能力・現場の搬入路幅なども考慮して判断してください。

ExcelやCSVからの取込

既にExcelで鉄筋リストがある場合、CSVまたはTSV形式で取り込めます。

取込手順

  1. Excelで鉄筋データを選択 → CSVまたはテキスト(タブ区切り)で保存
  2. 画面下部の「読込」ボタンをクリック
  3. 保存したCSV/TSVファイルを選択
  4. 既存データがある場合、「追加」か「上書き」を選択

対応フォーマット

以下の列構成に対応しています。列数は2〜5列まで柔軟に認識します。

列数列の内容
2列記号, 使用箇所S1, スラブ配力筋
3列記号, 使用箇所, 径S1, スラブ配力筋, D13
4列記号, 使用箇所, 径, 長さ(mm)S1, スラブ配力筋, D13, 2700
5列記号, 使用箇所, 径, 長さ(mm), 本数S1, スラブ配力筋, D13, 2700, 48
ポイント: ヘッダー行(「記号」「径」「使用箇所」などを含む行)は自動でスキップされます。Excelの書式 ="D13" も正しくD13として認識します。

取込後

径と長さが含まれていれば、最適な定尺長が自動で選択されます。記号と使用箇所だけの場合は、取り込み後に径・長さ・本数を手入力してください。

データ共有・保存

URL共有

  1. 画面下部の「共有」ボタンをクリック
  2. 共有用URLが画面上部に表示される
  3. 「コピー」ボタンでURLをコピー → LINEやメールで送信

相手がURLを開くと、同じデータが自動で読み込まれます。サーバーへの保存は一切なく、データはURL内に含まれます

JSON保存・復元

自動保存

データは入力のたびにブラウザに自動保存されます(localStorage)。ブラウザを閉じて再度開いても、前回のデータがそのまま残っています。

注意: ブラウザのキャッシュクリアや別のブラウザで開くとデータは復元されません。大事なデータはCSV出力やURL共有でバックアップしてください。

印刷・PDF出力

  1. 画面下部の「印刷」ボタンをクリック
  2. ブラウザの印刷プレビューが表示される
  3. 用紙サイズ:A4横向きで最適化されています
  4. PDF保存したい場合は、プリンターで「PDFに保存」を選択
印刷内容: メインテーブル・径別集計表・発注数量マトリクスが含まれます。画面上部の工事名・作成日も印刷されます。入力前に工事情報を埋めておきましょう。

鉄筋の単位重量一覧

JIS G 3112「鉄筋コンクリート用棒鋼」に準拠した単位重量(kg/m)です。SD295A・SD345共通。

呼び名径(mm)断面積(cm²)単位重量(kg/m)
D109.530.71330.560
D1312.701.2670.995
D1615.901.9861.560
D1919.102.8652.250
D2222.203.8713.040
D2525.405.0673.980
D2928.606.4245.040
D3231.807.9426.230
補足: D35(6.946kg/m)、D38(8.950kg/m)、D41(10.50kg/m)、D51(15.90kg/m)は現時点で本ツールには含まれていません。大径筋が必要な場合は手計算で対応してください。

現場で役立つ棒取りのコツ

1. 抱き合わせ棒取りでロスを減らす

1種類の鉄筋だけで棒取りするとロスが出やすい場合、短い鉄筋と長い鉄筋を同じ定尺から切り出すことでロスを大幅に減らせます。

例)5.5m定尺から
 ・3,200mm × 1本 + 2,200mm × 1本 = 5,400mm → ロス 100mm(1.8%)

個別に棒取りすると
 ・3,200mm → 3.5m定尺: ロス 300mm(8.6%)
 ・2,200mm → 3.5m定尺: ロス 1,300mm(59.1%→2本取にしても…)

2. 定尺長と搬入を両立させる

ロス率だけを追求すると12mの定尺が最適になることがありますが、搬入路が狭い現場では長尺材が入りません。ロスが少し増えても搬入しやすい定尺を選ぶ判断も重要です。

3. 端材の有効活用

棒取りで出た端材は捨てずに、以下に活用できます。

4. 発注は径ごと・定尺ごとにまとめる

本ツールの「発注数量マトリクス」を使えば、径×定尺長の組み合わせで整理された発注リストが自動で作成されます。鉄筋業者への発注ミスを防げます。

実務のポイント: 棒取り表は設計段階で作成し、鉄筋加工図と合わせて鉄筋業者に渡すのが理想です。施工開始後に棒取りを変更すると、すでに加工済みの鉄筋が使えなくなるリスクがあります。

よくある質問(FAQ)

Q. データは外部に送信されますか?

いいえ。入力データはすべてお使いのブラウザ内(localStorage)に保存されます。サーバーへの送信は一切ありません。URL共有の場合もデータはURL文字列に含まれるだけで、外部サーバーには保存されません。

Q. スマホでも使えますか?

はい。スマホではカード表示に自動で切り替わります。ただし棒取り表はデータ量が多いため、PCやタブレットの方が快適に操作できます。

Q. 定尺長の★推奨を変更しても大丈夫ですか?

もちろん大丈夫です。★推奨はロス率が最小の定尺を自動で選んでいるだけです。搬入条件や現場の保管スペースに合わせて、別の定尺長を選んで問題ありません。

Q. 継手長さや定着長さは含まれますか?

含まれません。本ツールの「長さ」欄には、継手・定着を含めた加工寸法(切断長)を入力してください。設計図の配筋長に継手長・定着長・フックを加えた値が切断長になります。

Q. ロス率が非常に大きくなることがあります

定尺長に対して設計長さが短すぎる場合(例:定尺12mに対して設計長さ500mmなど)、取合本数は多くなりますが、注文本数が切り上げのため端数分のロスが発生します。なるべくロスの少ない定尺を★推奨から選んでください。

Q. D35以上の太径鉄筋には対応していますか?

現時点ではD10〜D32に対応しています。D35・D38・D41・D51については、単位重量一覧を参考に手計算で対応してください。

Q. ExcelのCSVを読み込むとD10が日付に変わってしまいます

これはExcel側の自動変換が原因です。本ツールからCSV出力する際は ="D10" の形式で出力しているため、Excelで開いても日付に変換されません。逆にExcelからCSVを作る場合は、径の列を「文字列」に設定してから保存してください。

Q. ブラウザを変えたらデータが消えました

データはブラウザごとに保存されるため、別のブラウザでは表示されません。データを引き継ぐ場合は、「共有」ボタンでURLを作成するか、「CSV」ボタンでファイルに書き出してから、別のブラウザで読み込んでください。

Q. 印刷するとレイアウトが崩れます

印刷はA4横向きに最適化されています。印刷設定で用紙の向きを「横」に変更してください。また、ブラウザの「背景のグラフィック」オプションをONにすると、色付きの表がきれいに印刷されます。

Q. 発注メールはそのまま送れますか?

はい。発注数量表の下にある「発注メール作成」から、宛先・納入希望日・備考を入力して「メーラーで送信」を押すと、お使いのメールアプリが起動して発注明細が本文に入った状態で開きます。そのまま送信できます。「本文をコピー」でLINEやチャットに貼り付けることもできます。

Q. 入力したデータを全部消したいです

画面下部の「クリア」ボタンですべてのデータを削除できます。確認ダイアログが表示されるので、誤って消してしまう心配はありません。