声掛けして安心してない?若手が報告しない現場に共通する“バイアス”の正体|現場監督と現在志向バイアス
- 声掛けして、雰囲気良くしてるのに部下が相談にこない。。
- 途中経過報告もなく、結果だけ伝えられる。
- その時にはもう、すでに手遅れ、、。
こんにちは!B監督です。
トラブルの兆候や小さな異変を感じた段階で、報告が欲しいけど、来ない。来るのは全てが終わったあと。ああ、どうしてなんだ。
今回は、そんな悩みを抱えている中堅現場監督に向けて、なぜ現場で「若手から報告がきにくい」のかを、人の性質という視点からお伝えしていきたいと思います。
この記事を読んで、明日から実践あるのみ!変えるのはまず自分から。

結論:若手が報告しないのは「今の空気」を守りたいから
若手が恐れているのは、事故や手戻りと言った、ベテランが恐れている未来の損失ではありません。
若手が怖いのはもっと手前の「今、起きること」なんです。
- 怒られそう
- これ言ったら、変に思われるかな
- 「なんで今さら?」とか言われないかな
- 評価下がらないかな
- 余計な仕事増えて、残業になるかも
こう言った「今のダメージ」が頭をよぎった瞬間、若手の脳内ではこうなります。
「もうちょい様子見てから言うか」
「もうちょい自分で考えてみよう」
「確証が出てから報告しよう」

その結果、途中の報告はなく、最後に結果だけが残る。
良い結果ならまだしも、大概あるのは「手遅れの報告」のみ。。
でも、これは若手の性格や根性の問題じゃなくて、人間の脳が持っているクセがそうなっているからなんです。

※この”非合理的な人のクセ”を、現場で使える形で学びたい人は『行動経済学は最強の学問である』が分かりやすいです。
未来のトラブルより「今の空気」が勝つ(現在志向バイアス)
現在志向バイアスっていうのは簡単にいうと、「未来の大きな損失より、今の小さな不快を避ける」という人間の傾向です。
現場に置き換えると、
未来の損失:事故、手戻り、信用低下
今の不快 :気まずい、怒られる、空気が悪くなる
若手は「未来の損失」をわかっていないわけじゃないんです。だけど、経験の浅い若手にとって未来の損失は「実感が薄い」。でも、「今の空気」は、目の前で予想できるから重く感じるんです。
だから、未来より今が大事、結果、報告が遅れるんです。
「話しやすい雰囲気」と「報告できる」は別
ここが上司側の盲点になりやすいところです。
雑談できる。声掛けできる。雰囲気もピリピリしてない。これは確かに大事です。だけど、若手が欲しいのはもう一歩踏み込んだ先です。
“この悪い報告をした時に自分が安全”かどうか。
若手の頭の中では、悪い報告はこう見えています。
報告=詰められる
報告=責任が確定する
報告=空気が悪くなる
だから「話しやすい雰囲気」だけでは、報告は増えないのです。
必要なのは、”悪い報告でも空気が壊れない手順”と”仕組み”です。
具体例:結果だけの報告になる現場の2パターン
「途中で言ってくれたら、まだ大丈夫だったのに、、」
そう思う場面は大体同じ流れで起きています。
どれが自分の現場にもっとも近いか、チェックしながら読んでください。
「今日は大丈夫」で先送りする(様子見地獄)
若手の頭の中はこうです。
「んー、これ大丈夫かな。まあ、まだ大丈夫か」
「この作業はこれで終わりだし。」
「今言ったら、めんどくなりそう。」
でも、悲しいことに現場は止まらないので、傷は広がるばかり。。
- 微妙な出来形の違和感
- 型枠の納まりのズレ
- 工程の遅れ
- 安全設備の不備
見つけた瞬間にすぐ報告すれば、なんてことないのに自分で抱え込んでしまう。上司に連絡が行く時は、すでに取り返しがつかない状態、もしくは、トラブルが起きたあと。
「すみません、実は昨日から気づいていました。。」

私たちが欲しいのは、この報告ではなく、昨日の一言ですよね。
でも「今の空気」が怖くて、先送りにされてしまう。

「確証がない」と黙り込む(報告=きちんとしたものと思っている)
若手は「報告」をこう捉えてることが多いです。
報告=自分に責任が確定するもの
報告=内容を整理してから報告するもの
だから、確証がない段階、中途半端な時には言いにくい。
- この型枠の隙間どうするんだ?
- あそこの施工手順こうだったけど、現地条件に合ってなくない?
- んー。これダメな気がする。
こんな疑問を口にすると、「それで?」「具体的には?」って思われる気がする。

結果、若手は
- 自分だけで抱える
- 自分だけで調べようとする
- 自分だけで解決しようとする
そして、結果、失敗したときに、
「すいません、こうなっちゃいました。」
途中で共有していれば、一緒に解決できたのに「確証がないから」という理由で報告が遅れる。
対策:報告が自然に上がる”仕組み”の作り方
ここまでで分かったことは非常にシンプルです。
若手が報告しないのは、能力不足でも性格でもありません。
「今の空気が悪くなるのが怖い」から、先送りになってしまう。
なら、対策はそうならないように”仕組み化”すること。
ポイントは、若手の意識を変えようとしないことです。
現場を変えるのは、根性論ではなく設計です。
悪い報告の「最初の返し」を固定する(上司側の対策)
一度でも部下から上がってきた報告に対し、「なんで今なの?現場で何見てんの?」、「だから言っただろ。」なんて言ったことがある方は、アウトです。
返しをテンプレ化して、対策しましょう。
原因追及や報告の時に自分の考えを添えることは若手にとって重要だと思います。ただ、それは次のステップで、まずは「報告が上がる状態」を作らないと、何も始まりません。

「違和感を感じたら報告」をルール化する(若手側への対策)
若手の報告が遅れる理由の一つは、これです。
- 「確証が持てない」
- 「自信がない」
- 「まだ言うほどじゃないかも」
こうなると、若手は“確定”するまで抱え込みます。
そして上がってくるのは、最後の最後。結果だけ。
だから対策は、上司側から部下へルールとして言語化して伝えることです。
「この現場では、報告のときに資料はいらないよ。
小さな違和感を感じたタイミングで報告してね。」
これを言語化しないまま、
「うちは雰囲気がいい」「雑談もできてる」
…なのにどうして?は通用しません。
“話しやすさ”と“悪い報告のしやすさ”は別物だからです。
上司自ら実践していく。まず、変えるのは自分からです。

まとめ:明日からやることはこの3つだけ
若手が報告しないのは、能力や性格の問題ではなく、「今の空気が悪くなるのが怖い」から。
だから、対策は「意識改革」ではなく仕組み化で行う!
今回は若手が報告しない原因を、人間の性質「現在志向バイアス」に焦点を当ててお伝えしました。
この記事があなたの背中を押せれば嬉しいです!
ご安全に!!


