「ゼネコンに就職したら何をする?8年目の現場監督が教えるリアルな施工管理業務」|ゼネコンブログ
ゼネコンの施工管理って、何をするの?工事の計画、現場管理、それとも原価管理?具体的にどんな仕事なのか、想像できますか?この記事では、スーパーゼネコンに8年勤める土木施工管理担当の私が、その疑問にズバリお答えします!これを読めば、ゼネコンに入社を考えているあなたや、新人社員のあなたが、現場で一目置かれること間違いなし。施工管理の本当の姿を深掘りします。
※あくまでも、「土木の施工管理」目線となります。こちらをお忘れなく。
では、本題に入りましょう。
現場ではなにをする?
実際に現場に配属されたら、何をすることになるか代表的な例を見ていきましょう。今回記事にすること以外にも現場業務は多岐にわたって存在します。まずは、こういうことをしなければいけないんだなあという程度に捉えておきましょう!
施工計画
私たちの仕事の要といってもいいぐらい重要な仕事になります。工事をするために、どのような方法で施工していくのかを決める大事な業務です。入社直後に施工計画を丸投げされることはない(きっとないはずです。。)ので、現場赴任後は、先輩方が作成している施工計画書を読みましょう。そこに工事の概要がのっています。もちろん、施工計画書を読んでも、???となるでしょうから、施工計画書と現場を見比べ疑問に思ったことをどんどん先輩、上司に質問していきましょう。とぼけたふりして質問するのは新入社員の特権です。
先輩、今の工事の施工計画書ってどこに保存してありますか?
施工計画書の説明をされる前に、上記の質問をすれば、先輩から、一目おかれるはずですよ!
工程計画
工事には終わりがあります。その終わりは発注者から定められ、必ず守らなくてはいけません。そのために私たちは、施工計画にあった工程計画を立てます。現場赴任後は、工程表と現場の進み具合を確認し、工程表通りに進んでいるのか、遅れているのか、進んでいるのかを確認してみましょう。
工程とは?
⇨簡単に言うなら、何日に何をするということを決めたものです。この日にコンクリート打設を行うために、この日に鉄筋、型枠、測量の日程を決め、その通りに工事を進めていきます。
現場管理
現場管理はあまりにもやることが多すぎるため、私が伝えたいことだけを伝えます!
問題意識をもって現場へいけ!
これにつきます。現場に出ているのに、作業をぼーっと見ているだけ。作業員が危険な作業をしているのに、注意もせずに見て見ぬふり。効率の悪い施工の進め方をしているのに、素知らぬふり。言語道断です。現場に出たらやることはたくさんあります。
- 施工計画書通りの施工となっているか
- 安全に作業できているか
- 段取りよく作業できているか
- 作業員の配置は適正か(不足していないか、あまっていないか)
- 現場は整理整頓が徹底されているか
- 工程通りとなっているか
- 第三者に考慮した作業となっているか
などなど。
現場に出る際は、問題意識を二つ持って向かいましょう。(欲張らない!)
今日の現場巡視では、
・組み立てた足場が法令を遵守しているか
・施工手順書通りの作業をしているか
の2点を重点的に確認しよう。
このような意識を持っていくことを習慣化することで、数年後それがあなたの現場での経験として活きてきて、あなたの力になります。
問題意識を持つことは大事なことだけど、人間は忘れてしまう生き物です。問題意識は野帳に書いて、確認したらペンでチェックをつけるようにしようね!
測量
現在、測量は業者さんに外注することが多く、基準点と測量する座標だけを伝えるパターンが多くなっています。しかし、測量を頼むにしても自分が測量では何ができて何ができないのかを知っていなければ、頼むことはできません。私は大学で光波もレベルも見たことがなかったので、会社に入社してから、先輩から教えてもらい覚えました。なので、入社前に使えなくたって問題ありませんし、同期ですでに使える人がいても焦らなくて大丈夫です。覚えたら、誰でもできます!現場赴任後は、先輩に光波とレベルの据え方を教えてもらいましょう。大抵の現場であればあるはずです!
光波(トータルステーション)とは?
⇨角角度や距離を測定する測量機器で、水平距離や高低差、方向角等にも使用できます。
レベル(オートレベル)とは?
⇨一般的な高低差を測る水準測量などに用います。
始めは三脚を据えるのに苦労したり、ピンとが合わなかったり、焦って読み違えたり、、苦労すると思いますが、誰しもが通る道なのでへこたれないでいきましょう。
写真撮影・整理
施工管理といえば、写真撮影・整理は必須です。なぜ写真を撮るのか?それは発注者への報告資料であったり、品質、施工手順、安全管理をちゃんとやっていますよという証明に使うからなんですね。私がよくするのは、現場であれ?って思ったところは必ず写真に納めておきます。自分で解決できれば、よし。できなければ、上司に写真を見せて疑問をぶつけます。このように、発注者への資料提出などの意味合いもあるんですが、自分のスキルアップのためにも写真は必ず必要になってきます。これから色々な現場を経験しますから、過去と同様のシチュエーションがあった場合、写真で振り返ることもできるので、写真はたくさん撮りましょう。写真は1日100枚以上撮れ!なんて、入社当時は言われていました。
今では会社からiPhoneやiPadが配られるゼネコンが増えています。電子黒板もいまや主流になっていますね(一部の写真管理にはまだまだ黒板が使いやすい場面もある。)。
写真整理についてですが、私が入社した当時は撮った写真を日付ごとに格納するフォルダと工種ごとに分けるフォルダがあり、同じ写真を二箇所のフォルダに格納しなければならずめっちゃ大変でした。が、今の現場ではデキスパートを使用しており、写真整理の業務はほぼなくなっています。DX化最高!
写真を撮る時は、作業員さんに「写真撮りまーす!!」撮り終わったら「はい!OKです!ありがとうございます!」と大きな声で伝えましょうね。撮ったのか、撮ってないのか、OKなのかダメなのか、撮られてる側は知りたいので。
それと、接写で撮る場合どこを撮ったかあとでわからなくなることがあるので、少し離れて目印を入れて撮影すると思い出しやすいです!
資機材管理(注文・リース)
工事ではさまざまな機械や資材を使用します。街の中に立つ大きなクレーンは誰しも一回は見たことがあるのではないでしょうか。その機械たちは施工管理の私たちが段取りしています。いついつに何々を使用する、注文してから到着するまで何日かかるから、いつまでに注文、搬入場所はここで、荷下ろし方法はこうで、など注文といっても様々なことを考えなければなりません。また、最悪なのが当日に必要な資材がなく、作業がストップすることです。。現場にきた職人さんたちを遊ばせてしまうわけですから、工期・原価管理の点でも大きくマイナスになってしまいます。そして、自分への精神的ダメージも大きいです。。
資材を注文する際の注意点は他の記事で書いています。
原価管理
私たちの目的としては、お客様にいい商品を作り上げ、工期内でお渡しすることはもちろんですが、なによりも自社の会社の利益も上げなければなりません。原価を管理するということは、様々なことを管理することです。下記に具体的な例をあげます。
- 安全管理
⇨事故が起きれば、工事が止まります。事故対応や現場が止まっている間の職員にもお金がかかります。 - 工程管理
⇨工程が遅延すれば、発注者に対し、遅延金が発生します。また、その間の職員、事務所などの費用もかかります。 - 品質管理
⇨品質の不具合が発生すれば、施工のやり直しが発生します。本来発生するはずのない労務や材料費などが増加します。 - 環境管理
⇨近隣の方に大きな迷惑をかけて場合、賠償金が発生する可能性があります。
原価管理の目線で、上記4つの管理について述べました。様々な管理が原価に直結すると思っていただければいいです。上記を踏まえて、若年社員は何をすべきなのか具体的に見ていきましょう。
- 見積もり比較表の作成
⇨重機や資材を頼む時に1社からの見積もりで決めていませんか?会社ごとに得意な資材、重機があります。工事で使う資機材のリストを作成し、事前に複数の業者へ投げ、比較表を作成しましょう。注意点として、送料や運賃も確認しましょう。商品よりも送料や運賃が高くて、怒られることがたまにあります。笑 - 遊んでいる人、リース材がないか確認する
⇨実際に遊んでいる人はいないんですけど、暇している作業員さんのことを遊んでいる作業員と言ったりします。遊んでいる作業員さんや資機材があると正確な歩掛りも把握できませんから、いいことなしです。協力会社の職長に人数の相談をしにいきましょう。また、重機や仮設材も遊ばせていないか確認します。重機や仮設材の場合は、運賃が高額になってきます。工程を把握して、返却した方がいいのか、このまま現場に置いといた方がいいのかを確認するようにしましょう。 - 資材の在庫管理
⇨安全に安全にと資材を多めに頼みたい気持ちはわかりますが、倉庫に眠っているものはありませんか?工事終了後に大量に余っていた!なんてことにならないように、在庫と見比べて適正な数量で注文しましょう。
とりあえずはこの3つを徹底しましょう。これだけでも、意識すると現場での原価管理の意識が変わってきます。
よくいわれるのが、
自分の財布から払っている意識を持て!
です。家電や家具を買う時、車検を頼む時、すぐ決めないですよね?最安値の所を探して、そこで購入しますよね。要はその感覚を工事でも出して下さいってことです。ケチになるのではなく、無駄な出費を抑えることです。
以上、施工管理なったら、何をする?|ゼネコンブログ、という話題でした。
ご安全に!
今回の記事では、施工管理の全体像をざっと解説しましたが、いかがでしたか?これでゼネコンでの仕事が少しでもクリアになれば幸いです!次回は、各業務をさらに詳しく掘り下げ、現場で役立つ知識をお伝えします。現場での成功は日々の積み重ねです。あなたもこの記事で得た知識を実践し、現場で一歩リードしましょう!