【過去問解説】1級土木施工管理技士(一次)|ネットワーク式工程表(令和7年・問題B No.6)
<本記事は、全国建設研修センターが公開している・していた問題PDFを参照して解説しています>
こんにちは!B監督です。
本日もこつこつ一次検定の過去問を解いていきましょう。
今回は「ネットワーク式工程表(工程管理)」の定番問題を、丁寧に解説します。
ネットワーク式は、最初は苦手意識が出やすいですが、結局やることは毎回ほぼ同じです。
まずは超基本をサクッと押さえてから、本題の過去問に入りましょう。
- 大手ゼネコン現場監督歴10年
- 1級土木、コンクリート技士、FP3級
ネットワーク式工程表の超基本(これだけ先に)
ネットワーク式工程表は、建設工事などのプロジェクトで作業間のつながりを矢印や点で図式化した工程管理ツールです。従来のガントチャートより、作業の依存関係(例: Aが終わるまでBを始められない)を明確に視覚化し、全体の最短工期を把握できます。
建設業では複数の作業が一つの場所で同時に行われていきます。その中で、Aの作業が終わらないと、B作業が始められない。C作業は始められるけど、D作業を始めるときはB作業は終わってないといけない、など。。

B監督、何言ってるの、、?

笑
こうならないように、作業の関わりを簡単に図示化したものがネットワーク式工程表です。

細かい見方の説明は過去問を解きながら、覚えていく方がいいのでさっそく問題を見ていきましょう。
【過去問解説】令和7年度 第一次検定(問題B)No.6(ネットワーク式工程表)

- 回答(すぐ知りたい人用)
-
正解:(3)
工程表を言語化して理解することが重要
工程表を言語化?

初めてこの工程表を見たら、なんのことを言ってるかわかりませんよね?それを手っ取り早く理解するために工程表を言語化するのがおすすめです。


実際にやってみます。上の図を見ながらみなさんも確認してくださいね。
① スタート

- 0→1:A(5日)
- まずAが終わらないと何も始まらない。
ちなみに、数字についてる◯印(イベントと呼ばれています)は作業の開始や終わりのことを示しています。また矢印は作業の進み方を表し、Aは作業の仮名称です。実際の現場では足場とか掘削などに置き換わります。

② A完了後に分岐(同時進行)

Aが終わると、イベント1から BルートとGルートに分かれる。
Bルート

- 1→2:B(5日)
- Bが終わったイベント2から、さらに 2本に分かれて並行する:
- 2→3:C(6日)→ 3→5:D(6日)
- 2→4:E(6日)→ 4→5:F(7日)
- つまり上側は、
- 「C→D の流れ」と「E→F の流れ」を並行で進めて、どちらも終わったらイベント5に集まるイメージ。
Gルート

- 1→6:G(7日)
- 6→7:H(6日)
- ここでイベント7に入る条件が2つある:
- Hが終わること(6→7)
- それとは別に、Bルートの Eが終わってイベント4に到達していること
- つまり **イベント7は「H完了」かつ「E完了」**が揃って初めて到達できる節目。
- その後、
- 7→8:I(6日)
- 8→9:K(5日)(ゴールに向けて進む)
この点線矢印は「ダミー線」と呼ばれます。
作業事態は発生しませんが、矢印の始まり側のイベントが終わらないと、起点側の作業が発生しないことを表しているんです。
今回でいうと
4のイベントが終わったら7のイベントが開始できる。
ということになります。

③ 上ルートの「J」が始まる条件がちょい特殊

- 5→9:J(6日)
- ただしイベント5は、DとFが終わるだけじゃなくて、図の縦矢印:ダミー線(8→5)によって下ルートがイベント8まで進んでいることも条件になってる。
つまりJは、
- 上ルートの D・Fが終わっている
- 下ルートの Iが終わってイベント8に到達している
この2つが揃ってからスタートする。
④ ゴール(9)

イベント9は、
- Jが終わる
- Kが終わる
の両方が揃って到達(完了)する。
どうだったでしょうか。この流れが言語化できればあとは、数字の足し算、引き算を繰り返すだけになるので、問題の8割は解けたことになります。

問題を上から順に解いていく

- (1)適当(解説を見たい方はクリック)
-
クリティカルパスとは一番工程がかかる経路のことでしたね。
なので、工程表より一番時間がかかるルートを探していきましょう。
大前提として最後のイベント9が終わるのはJとKの作業が終了したときなので、その二つルートの日数をそれぞれ求めます。
Jルートでのクリティカルパスを求める
まずは一番上のルート(A➡︎B➡︎C➡︎D)を計算。
5+5+6+6=22(日)
次に真ん中のルート(A➡︎B➡︎E➡︎F)を計算。
5+5+6+7=23(日)
一番下のルート(A➡︎G➡︎H➡︎I)を計算。
5+7+6+6=24(日)
※イベント7を作業開始するにはイベント4を終了している必要があることを忘れずに。
真ん中のイベント4までのルートは16(日)、下のイベント7までのルートが18日となっているので無視しています。
つまり、一番下のルートが24(日)と長いので、それにJルートの6(日)を足すと30(日)と日数がでます。
Kルートでのクリティカルパスを求める
一番下のルート(A➡︎G➡︎H➡︎I➡︎K)に該当するので、
5+7+6+6+5=29(日)
となります。クリティカルパスはJを通る一番下のルート。(0➡︎1➡︎6➡︎7➡︎8➡︎5➡︎9)
おおー。たしかに、工程表を言語化したことで計算はすんなり進められるね。

- (2)適当(解説を見たい方はクリック)
-

作業Jの最早開始時刻=「イベント5の最早時刻」です。
この工程表はダミー線(8→5)があるので、イベント5は上側(D・F)だけ終わっても確定しません。つまり、イベント5は
・Dが終わる
・Fが終わる
・Iが終わってイベント8に到達する(8→5のダミー条件)
この3つが揃って初めて到達できます。(1)の解説より、作業Jの最も早い開始時刻は 24日目 になります。
- (3)適当でない(解説を見たい方はクリック)
-

工事完了までの必要日数を聞かれているので、最長の日数を答えたらいいだけですね。
(1)の解説より30(日)
29(日)ではありませんので、この選択肢がこの問題の正解となります。
- (4)適当(解説を見たい方はクリック)
-
当初工期は(1)の解説より、一番長い30(日)になります。
D作業が干渉するルートを再計算してみましょう。一番上のルートのイベント5までの日数は(1)の解説より、22(日)となっていますので
22+3=25(日)になります。もともとクリティカルパスだった一番下のルートはイベント5までの日数は24(日)ですから、クリティカルパスが一番上の経路に変わったことがわかります。
なので、J作業6日を足すと
25+6=31(日)
当初工期より、1日遅れたことになります。

用語解説
クリティカルパス
工事の中で一番工程が長い経路(パス)のことです。
クリティカルヒット!大ダメージ!!クリティカルパス!!大工程!工程長すぎ!と連想しましょう。

?

最早開始時刻
漢字から連想すればOKです。
最も早い開始時刻です。
まとめ
今回は、令和7年度の一次検定(問題B No.6)を使って、ネットワーク式工程表の解き方を解説しました。
やることはシンプルです。
- まずネットワーク式工程表を「言語化」して、作業の順番と合流条件を整理する
- 合流点は「日数の長い方」を採用する
- 最後に「どのルートが一番時間がかかるか(=クリティカルパス)」を押さえる
この3つができれば、あとは足し算・引き算の繰り返しだけで点が取れるようになります。
ネットワーク式工程表は、最初の1問を丁寧に理解できると一気に楽になります。
今回の問題を何度か解き直して、「言語化→計算」の型を自分のものにしていきましょう。
今日が人生で一番若い日です。
すんばらしい1日にしていきましょう!
ご安全に!
頻出問題ですので、理解を深め確実に点を取れるようにしましょう!


