建設工事計画届とは?対象工事・何日前までか・様式21号を解説
- 88条って聞くけど、機械等設置届との違いがわからない
- 建設工事計画届って、どんな工事が対象なの?
- いつまでに、誰が、どこへ出すの?
こんにちは、B監督です!
上司から
「この工事、88条の計画届いるか確認しといて」
と言われても、
最初は「88条??何を言ってるんだ??」ってなりますよね。
この記事では、88条の中でも建設工事計画届に絞って、現場監督の実務目線でわかりやすく整理していきます。
この記事を読めば、
- 自分の現場が建設工事計画届の対象か
- 14日前ルールをどう考えればいいか
- どんな書類を準備すればいいか
ひと通りつかめるようになります。
理想は、施工計画の段階で
「これ、計画届を確認した方がいいかも」
と自分で引っかかれる状態になることです。

まず確認|建設工事計画届が必要な工事とは
建設工事計画届は、すべての工事で必要になるわけではありません。
まずは上の図で、どんな工事が対象になりやすいのかをざっくり確認しておきましょう。
代表例として押さえておきたいのは
- 高さ31mを超える建築物・工作物
- 一定規模の橋梁工事、ずい道等の工事、掘削の高さまたは深さ10m以上の地山掘削
- 圧気工法の工事、石綿(アスベスト)関係の工事
などです。

- 人口が集中している地域内とは?調べる方法は?
-
「人口が集中している地域」は、統計や法令では人口集中地区(DID:Densely Inhabited District)を指します。
定義(人口集中地区=DID)
総務省の国勢調査で次の2条件を満たすエリアを「人口集中地区」といいます。
- 人口密度が1平方キロメートル当たり4,000人以上の基本単位区などが、市区町村の中で互いに隣り合って連続していること。
- その連続した区域の合計人口が5,000人以上であること。
地理院地図を使ってDIDに当てはまるかを調べる
- 地理院地図 を開く
- 住所入力(例:「東京渋谷」)で地図表示
- ツール「重ねて比較」をクリック

この設定後、地図を見て、赤色の表示がされていなければ、DID地区ではないことがわかります。この場合、建設工事計画届の提出は不要になります。
対象外となる条件
さっきは橋梁工事の例外について触れましたが、その他にも届出を省略できる条件があります。
ずい道等の建設等の仕事
ずい道等の内部に労働者が立ち入らないものは提出不要です。
掘削の高さ、又は深さが10m以上である地山の掘削の作業を行う仕事
- ずい道等の掘削及び岩石の採取のための掘削(掘削)
- 掘削機械を用いる作業で、掘削面の下方に労働者が立ち入らないもの(作業)
は提出不要です。
廃棄物焼却炉を有する廃棄物の焼却施設に設置された廃棄物焼却炉、集じん機等の設備の解体等の仕事
廃棄物焼却炉の
火格子面積が2㎡以上又は焼却能力が1時間あたり200kg以上のもの
は提出する必要があります。それ以外は提出不要です。
ややこしいなと思ったら、お近くの労働基準監督署に直接聞いて、確かめるのがお手軽で1番安心できます。

建設工事計画届とは?現場監督が最初に知っておきたい基本
まず、建設工事計画届は、労働安全衛生法第88条に基づく届出のひとつです。
今回解説している建設工事計画届は、その中の「法88条第4項」に基づく届出です。

他にも
- 足場や型枠支保工などで出てくる「機械等設置届」→法88条第2項に基づく届出
- クレーンなどの特定機械等→クレーン等安全規則などの個別規則で届出
などがあります。
だから上司たちは、会話の中で
「88条確認しといて」
「ハチハチ見といて」
みたいな言い方をするんです。(わかりづらい、、笑)

建設工事計画届の目的
建設工事計画届の目的は、一定規模の工事について、着工前に安全面を確認できる状態をつくることです。
ただ書類を出すための手続ではなく、危険・有害な工法や設備がそのまま採用されないよう、労働基準監督署が事前に計画を審査するための届出です。
建設工事計画届は何日前までに出す?提出期限の考え方

建設工事計画届は、仕事を開始しようとする日の14日前までに提出する必要があります。
届出にはいろいろな書類を添付する必要があります。
私の経験上、労基署に届出を提出する2週間前には全ての資料を揃える目標で動くことをおすすめします。

まずは上の図で、提出期限・義務者・提出先の全体像を押さえておきましょう。
誰が提出するのか
建設工事計画届を提出するのは、原則としてその仕事を開始する「事業者」です。
ただし、数次請負による工事では、自ら仕事を行う発注者がいる場合はその発注者、発注者がいない場合は元請負人が提出することになります。
どこへ提出するのか
建設工事計画届の提出先は、工事を行う場所を管轄する労働基準監督署長です。
たとえば、工事事務所が福島県にあって、現場が茨城県にある場合は、福島県ではなく、現場がある茨城県を管轄する労働基準監督署に提出する必要があります。
私も、工事事務所と現場で県をまたぐ案件を経験したことがあります。当時は不安だったので労働基準監督署に確認しましたが、やはり「現場を管轄する労働基準監督署へ提出してください」と案内されました。

建設工事計画届の様式21号と必要書類チェックリスト
建設工事計画届は、様式第21号を使って提出します。
実務では、様式21号だけ作れば終わりではなく、工事の内容や安全対策が分かる図面・資料もあわせて準備する必要があります。
様式21号では、事業の種類、事業場の名称、施工場所、仕事の範囲、着工予定日と終了予定日、計画の概要、参画者の経歴、使用予定労働者数などを記載します。
様式21号の記入要領

上の図を参考に、記入していきましょう。
様式第21号は厚生労働省のHPからDLできます。

主な添付書類・図面の考え方
必要書類は工事内容によって変わりますが、まずは次の5つのカテゴリで整理すると考えやすいです。

- 1つ目は周辺環境の図面等です。
周囲の状況や四隣との関係が分かる資料で、案内図、平面図、埋設物、地質調査結果などがここに入ります。 - 2つ目は建設物の概要・図面です。
建設物や工作物の構造が分かる資料で、平面図、立面図、断面図、主要な設計図などが該当します。 - 3つ目は、仮設設備・機械の配置です。
足場や型枠支保工、クレーン、工事用機械、車両動線など、「どこに何を配置して工事を進めるのか」が分かる資料を整理します。 - 4つ目は、工法・安全衛生対策です。
工法の概要、安全衛生管理体制、緊急時の連絡体制、労働災害防止の方法や設備の考え方などを示す資料です。
4つ目に関しては、普通の施工計画書と同じ内容ですね。

- 5つ目は、工程表や作業スケジュールです。
工事全体の流れや、いつどの作業を行うのかが分かる資料を用意します。
詳細は公式サイトも確認しておく
ここまでで全体像はつかめますが、実際に必要となる図面や資料は、工事の種類や工法によって変わります。労働局の案内でも、建設工事計画届には図面や各種計算書等の添付が必要とされており、工事内容に応じた確認が前提です。
そのため、最終的には厚生労働省や所轄労働基準監督署、労働局の案内もあわせて確認しておくと安心できます。
よくある質問
建設工事計画届と機械等設置届は同じですか?
同じではありません。
建設工事計画届は工事計画、機械等設置届は仮設設備寄りの届出です。
施工計画書があれば、建設工事計画届は不要ですか?
不要にはなりません。
施工計画書と建設工事計画届は役割が違います。
誰が提出しますか?
原則として、その仕事を開始する事業者です。
数次請負では、発注者または元請負人が提出するケースがあります。
どこの労基署に提出しますか?
現場を管轄する労働基準監督署です。
事務所所在地ではなく、工事場所ベースで判断します。
何日前までに提出しますか?
仕事を開始しようとする日の14日前までです。
契約工期ではなく、実際の着手日から逆算します。
計画変更が出た場合はどうすればいいですか?
変更内容によって対応が変わるため、所轄の労働基準監督署へ確認するのが安全です。
まとめ
建設工事計画届は、最初はややこしく感じると思います。
でも、現場監督として押さえるべきポイントはそこまで多くありません。
まずは、自分の工事が対象かどうかを確認すること。
次に、実際の着手日から逆算して14日前までに間に合わせること。
そして、様式21号だけでなく、添付図面や工程表まで含めて早めに準備すること。
この3つを意識するだけでも、かなり動きやすくなります。
最初から完璧に理解できなくても大丈夫です。
今回の記事を見返しながら、ひとつずつ整理していけば十分対応できます。
焦らず、でも後回しにせず。
現場が始まる前に、必要な確認をひとつずつ潰していきましょう。
ご安全に!
