土木の特記仕様書とは?共通仕様書との違い・優先順位・読み方をわかりやすく解説
こんにちは、B監督です!
- 「特記仕様書に書いてあるじゃん。見てないの?」
- 「なんで撤去数量の単位が㎡じゃなくてmなんですか?って聞いたら、特記仕様書見てないの?と言われた」
- 「単位の後ろの(E)ってなんですか?って聞いたら、特記仕様書見てないの?と言われた」
こんなふうに言われた経験、ないでしょうか。
……私はたくさんあります。笑
若手のうちは、そもそも先輩から特記仕様書の存在や重要性をしっかり教わらないまま仕事をしていて、3年目くらいになって、ようやく特記仕様書の重要さに気づいたという人も少なくないと思います。
土木工事の仕事では、特記仕様書・共通仕様書・図面・工事数量総括表・現場説明書など、いろいろな書類が出てきます。でも最初は、名前も似ていて、それぞれ何のための書類なのか、どれを優先して見ればいいのかがわかりにくいですよね。
実際、特記仕様書はとても大事な書類ですが、特記仕様書だけを見ればいいというわけではありません。大事なのは、特記仕様書を単体で覚えるのではなく、設計図書全体の中での位置づけを理解することです。
この記事では、土木施工管理の若手向けに、
- 特記仕様書とは何か
- 契約図書・設計図書の中での位置づけ
- 図面や数量総括表、現場説明書などとの関係
- 優先順位の考え方
- 現場で迷わないための見方(考え方)
を、できるだけ実務に近い目線でわかりやすく解説します。
「とりあえず読んで」と言われて困る状態から、“どの書類を根拠に判断すればいいか”を考えられる状態を目指していきましょう。
なぜこうなっているのか?
その大元(根拠)を知ることで、仕事の理解度は一気に上がります。
根拠に基づいて行動できるようになると、自信にもつながります。


土木の特記仕様書とは?若手が最初に知っておくべき位置づけ

特記仕様書は、若手のうちは「大事らしいけど、正直よくわからない書類」になりがちです。
でも実際は、施工管理の仕事を進めるうえで、かなり重要な書類です。先輩が「特記仕様書見て」と言うのも、それだけ現場の判断に直結する情報が書かれているからです。
ここで大事なのは、特記仕様書を“単体の書類”として覚えるのではなく、設計図書の中でどういう役割の書類なのかを最初に押さえることです。
特記仕様書は「共通仕様書を補足する書類」
特記仕様書は、ひとことで言うと共通仕様書を補足する書類です。
共通仕様書には、いろいろな工事に共通するルール(基本的な考え方)が書かれています。一方で特記仕様書には、その工事ごとの条件や、共通仕様書だけでは足りない内容が書かれています。
たとえば、
- この現場特有の施工条件
- 工事ごとの管理条件
- 工事固有の技術的な要求
- 共通仕様書に対する追加・補足事項
などです。
つまり、共通仕様書が「土台」、特記仕様書が「その工事の上乗せ条件」というイメージです。
共通仕様書はそれぞれの発注機関のHPに載っていることが多いです。ちなみにNEXCO東日本だとこちら。

なるほど。共通仕様書はネット上にあるんですね。現場のフォルダにあるものだと思ってました。。

特記仕様書だけではなく、設計図書全体で見るのが大事
特記仕様書は重要ですが、特記仕様書だけ見れば判断できるわけではありません。
実務では、特記仕様書を読むときも、
- 図面(契約図面・変更図)
- 工事数量総括表
- 現場説明書
- 質問回答書
- 共通仕様書
などとセットで確認します。
たとえば、図面の数値や記号を見て「これ、何が根拠なんだろう?」と思ったとき、その答えが特記仕様書にあることもあれば、共通仕様書や質問回答書にあることもあります。
なので、特記仕様書を理解する第一歩は、“特記仕様書だけを読む”ではなく、“設計図書の中で位置づけを理解する”ことです。
契約図書・設計図書・仕様書の違いを整理

特記仕様書を理解しようとしても、そもそも「特記仕様書が契約図書の中でどういう位置づけなのか」が分かっていないと、毎回モヤモヤします。
難しく考えなくて大丈夫です。まずは、“どの箱に入っている書類か”を押さえましょう。
契約図書とは何か
まず一番大きいくくりが、契約図書です。
契約図書は建設工事の契約において発注者と請負者の双方を拘束する重要な書類群で、主に
- 契約書
- 設計図書
を合わせたものです。
つまり、現場で「契約上どうなっているか」を考えるときは、契約書だけではなく、設計図書まで含めて見る必要があります。
設計図書とは何か(土木では数量総括表も含む)

次に、契約図書の中に入っているのが設計図書です。
設計図書とは、建設工事や建築物の施工に必要な図面と仕様書などの書類の総称です。主に、
- 仕様書(共通仕様書・特記仕様書)
- 契約図面(発注図)
- 現場説明書
- 質問回答書(現場説明書に対する質問回答書)
- 工事数量総括表(※土木工事では、工事数量総括表を設計図書に含む扱いです。)
のことを指しています。
図書?図面?契約?設計?と似通った文字が出てきますが、ここは大事なのでよく理解しましょう。

仕様書とは何か(共通仕様書+特記仕様書)
ここでいう仕様書は、1つの書類名というより、
共通仕様書と特記仕様書を合わせた呼び方です。
覚えるなら、この3段階でOK
最初から細かく覚えようとすると混乱しやすいので、この3段階でOKです。
- 契約図書:契約全体のルール
- 設計図書:現場で使う技術的な書類のまとまり
- 仕様書:共通仕様書+特記仕様書
特記仕様書と一緒に見るべき書類(図面・数量総括表・現場説明書・質問回答書)
特記仕様書は大事ですが、実務では特記仕様書だけで完結しないことがよくあります。大事なのは、それぞれの書類で何を確認するかを分けて考えることです。
ここでは、特記仕様書と一緒に見ることが多い書類を整理していきます。
図面(契約図面・変更図)とセットで見る理由
まず、現場でいちばんよく見るのは図面です。
図面は、形・寸法・位置関係などが具体的に書かれているので、施工のイメージをつかむには欠かせません。ただし、図面だけで判断してはいけません。
たとえば、
- 図面に書かれている条件の意味
- 施工方法の細かいルール
- 管理上の条件
- 例外的な取り扱い
こういった内容は、図面だけでは分からず、特記仕様書に書かれていることがあります。
だから、「図面で形を見る、特記仕様書で条件を見る」というセットの意識を持つと分かりやすいです。
また、図面を見るときは、
- それが契約図面(発注図)なのか
- 設計変更後の図面なのか
- 改定履歴はどうなっているか
も確認しておくと、手戻りのリスクを減らせます。
私も過去に、現場で「最新図面フォルダ」だけを見て進めていたら、発注当初から変更のない図面(発注図)がそのフォルダに入っておらず、撤去対象を見落としていたことがありました。
「何が最新図面なのか」これを確認するのは本当に大事です。

工事数量総括表は“数量・単位・規格”の確認に使う
工事数量総括表は、設計図書の中で
- 工種
- 設計数量
- 単位
- 規格
などを確認するための書類です。図面に目が行きやすいですが、数量総括表を見ると「この工事で何をどの単位で管理しているのか」 が見えやすくなります。
たとえば、
- 撤去数量の単位が㎡ではなくmになっている
- 同じように見える項目でも、規格の書き方が違う
- 図面の数量表の単価項目が、数量総括表と一致しない
こういうときに、「あれ?」と気づくきっかけになります。
ここで大事なのは、すぐに自己判断しないことです。
数量や単位の意味は、特記仕様書や図面、場合によっては発注者ごとの要領書まで含めて確認していく必要があります。
この記事では深掘りしませんが、実務では発注者ごとに数量算出の考え方を定めた要領があることも多いので、気になる人はそこまで確認すると理解が深まります。
参考として、国土交通省の地方整備局では「土木工事数量算出要領」が公開されています。
(例:中部地方整備局 など)

現場説明書・質問回答書は工事の前提条件をつかむ書類
- 現場説明書
- 質問回答書(現場説明書に対する質問回答書)
この2つは、工事の契約条件や前提条件、入札時点での確認事項などが書かれていて、「この工事はどういう条件で進める前提なのか」 をつかむのに役立ちます。
実際、施工が始まってから
- なんでこういう条件になっているんだろう?
- これって入札時点で確認されてないのかな?
と感じることがあります。
そういうときに、現場説明書や質問回答書を見返すと、すでに整理されていることがあります。
特記仕様書や図面ばかりに意識が向きやすいですが、現場説明書・質問回答書まで目を通しておくと、工事全体の見え方がかなり変わります。
共通仕様書・特記仕様書・図面の優先順位をどう考えるか
現場で迷う場面の多くは、「どの書類を根拠に判断するか」があいまいなまま進めてしまうことで起こります。
たとえば、
- 図面を見て進めようとしたら、特記仕様書に別の条件が書いてある
- 共通仕様書にはこう書いてあるのに、工事ごとの条件は違っている
- 数量や単位の考え方を図面だけでは判断しきれない
こういう場面は、実務では普通にあります。
だからこそ、「優先順位の考え方」 を持っておくと、判断ミスをかなり減らせます。
基本の考え方(契約図面・特記仕様書など > 共通仕様書)
実務でまず押さえておきたい考え方は、共通仕様書はベース、工事ごとの設計図書(契約図面・特記仕様書など)が上乗せ条件 という見方です。
つまり、現場で迷ったときは、まず
- 契約図面(発注図・変更図)
- 特記仕様書
- (必要に応じて)工事数量総括表
を確認して、その工事にどう書かれているかを見にいくのが基本です。
ここは大事なポイントです。工事ごとの設計図書に書かれている定めを必ず確認してください。
「どの書類を優先するか」は、発注者や工事ごとに記載されている場合があります。

工事ごと・発注者ごとの定めを確認する
「前の現場ではこうだったから、今回も同じだろう」は危険です。
発注者が違えば、
- 書類の構成
- 書き方
- 運用の細かいルール
が変わることがあります。
同じ発注者でも、工事の内容によって条件が違うことは普通にあります。
だから、まずは“前の現場の常識”より“今の工事の設計図書” を優先して確認する意識を持つのがおすすめです。
施工管理要領や設計要領は、発注機関ごとに整備・販売されている場合があります。
実務で使う案件の基準・要領は、必ず確認しておきましょう。

迷ったときは自己判断せず、根拠を持って確認する
設計図書に相違があるように見えたり、読み取りに迷いが出たときに一番危ないのは、
「たぶんこうだろう」で進めてしまうことです。
受注者側としては、違和感が出た時点で
- どの書類のどこで迷っているのか
- 自分はどう読んだのか
- 何を確認したいのか
を整理して、監督職員に確認して指示を受ける、という動きが基本になります。
先輩や上司に相談するときも、
- 図面ではこう見えました
- 特記仕様書ではこう書いてありました
- 共通仕様書の定義だとこう読めました
- この場合、どれを根拠に考えるのが正しいですか?
という聞き方ができると、話がかなり早いです。
これができるようになると、
ただ「分からない人」ではなく、根拠を見ようとしている人として見てもらえるようになります。
契約図書・設計図書・仕様書の整理や、現場説明書・質問回答書を含む設計図書の考え方は、自治体の土木工事共通仕様書の解説ページや、国交省整備局の共通仕様書公開ページでも共通する構成として確認できます。

特記仕様書の見方と、成長が止まらない人の共通点

ここまでで、特記仕様書の位置づけや、設計図書の全体像はだいぶ整理できたと思います。ここからは、実際に若手が現場でどう特記仕様書を見ていくかを、実務目線で整理していきます。
先に結論を言うと、特記仕様書の見方で一番大事なのは、“根拠をたどる意識”を持つことです。
前提:特記仕様書はすべて読む(施工箇所は熟読)
まず前提として、特記仕様書はすべて読むのが基本です。
「自分が担当しているところだけ読めばいい」と思いたくなる気持ちはわかります。
でも、実際は前後の条件や、他工種との関係、共通でかかるルールが影響してくることもあります。
なので、最初に一度は全体を通して目を通しておく。そのうえで、これから施工する部分は必ず熟読する、という流れがおすすめです。
若手のうちは、全部を一回で理解できなくて大丈夫です。まずは「どんなことが書いてあるか」を把握して、施工段階で必要なところを深く読み直すだけでも、かなり変わります。
あれ?この箇所、特記でなんか書いてなかったっけ?
この、引っかかりができる状態が理想です。詳細は見直せば済みますから。

図面の数値・記号・単位に「なぜ?」を持つ
ここが、成長が早い人と差がつきやすいポイントです。
現場では、図面や数量表を見ていると、いろいろ気になることが出てきます。
たとえば、
- なんでこの数量の単位は㎡じゃなくてmなんだろう?
- なんでこの記号が付いているんだろう?
- なんでこの施工方法が指定されているんだろう?
こういうときに、ただ流してしまうのではなく、
「なぜこうなっているんだろう?」と一回立ち止まることが大事です。
この“引っかかり”が、特記仕様書を読む意味につながります。
根拠をたどると、特記仕様書・共通仕様書・要領書につながる
「なぜ?」を持って確認していくと、根拠は1つの書類だけにあるとは限りません。
実務では、根拠をたどると
- 特記仕様書
- 共通仕様書
- 図面
- 工事数量総括表
- 現場説明書・質問回答書
- 発注者ごとの管理要領書
など、複数の書類につながることが普通にあります。
だから、特記仕様書を読む力というのは、
実際には“設計図書の中で根拠を探す力”に近いです。
なお、発注者が変わると、同じような役割の書類でも名称や構成が少し違うことがあります。
「なぜこうなのか?」を考える習慣が成長を止めない
若手のうちは、目の前の作業をこなすだけで精一杯になりやすいです。それ自体は普通ですし、悪いことでもありません。
でも、その中で少しずつでもいいので、「なぜこうなのか?」を考える習慣を持つと、成長のスピードが大きく変わります。
- なぜこの数量の拾い方なんだろう?
- なぜこの施工条件が付いているんだろう?
- なぜこの順番で施工するんだろう?
- その根拠は、どの書類に書いてあるんだろう
この積み重ねで、ただ言われたことをやるだけではなく、根拠に基づいて判断できる施工管理に近づいていけます。
私は、この「なぜ?」を持つ姿勢が、成長を止めない自分の中の上質なルールだと思っています。特記仕様書は、その習慣を身につける入口として、すごくいい教材です。
設計図書の不整合があったときの対応と、気をつけること
ここまで読んでくれた人は、たぶんもう気づいていると思います。
特記仕様書を理解するうえで大事なのは、
「どの書類がどういう役割か」を整理して、根拠をたどれるようになることでした。
では違った場合はどうしたらいいか。これについて、見て行きましょう。
違うなと少しでも感じたら、自己判断で進めない
一番危ないのは、「たぶんこうだろう」で施工を進めてしまうことです。
特に、
- 急いでいるから
- 聞くのが気まずいから
- なんとなくこうだと思ったから
で進めてしまいたくなることがあります。
でも、ここで自己判断すると、
- 手戻り
- 工程の遅れ
- 追加対応
- 信頼低下
につながります。
だから、なんか間違ってない?と感じた時点で、止まって確認する のが正解です。
確認するときは「どこで迷ったか」を整理して伝える
確認するときに大事なのは、「分かりません」だけで終わらせないことです。完璧じゃなくていいので、最低限この形で整理して伝えると、かなり話が早くなります。
- どの書類を見たか(図面・特記仕様書・数量総括表など)
- どの記載で迷っているか
- 自分はどう読んだか
- 何を確認したいか
たとえば、こんな感じです。
- 「図面ではこの範囲を撤去と読みました」
- 「ただ、数量総括表の単位の考え方が違って見えて迷っています」
- 「特記仕様書のこの記載も見たのですが、ここが判断しきれません」
- 「この場合、どれを根拠に考えるのが正しいでしょうか」
この聞き方ができると、先輩や上司、監督職員にも伝わりやすいです。

まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、土木工事における特記仕様書の役割と、設計図書の中での位置づけを、若手向けに整理して解説しました。
特記仕様書はとても重要ですが、特記仕様書だけで判断するのではなく、
図面・数量総括表・現場説明書・質問回答書などを含めて、設計図書全体で根拠を確認することが大切です。
ぜひ、ちら見程度しかしていない人がいたら全部読み切ることをおすすめします。新たな発見があるはずです。
今日が人生で一番若い日です。本日も、すんばらしい1日にしましょう!
ご安全に!
特記仕様書とか管理要領、設計要領もそうですけど読めば読むほど、「え、これってここで決まってるんだ!あーすっきり。」というのが多いです。
腹落ちすると業務に不安がなくなるので、上司への進言、部下への指示も的確になること間違いないですよ。お互い頑張りましょう。


